第12回 「日本が誇る調味料・醤油を知る」
1.はじめに
2.議事録
3.参加者の感想
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1.はじめに
2003年6月29日(日)、千葉県・野田市のキッコーマンにて、和散歩・趣き深き会 第12回 「日本が誇る調味料・醤油を知る」を開催しました(参加者14名)。これは、その議事録と参加者の感想です。
私の家から、約2時間。降り立った、駅からはぷーんと醤油の香りが漂います。
「野田に来たぞぉー!」
この瞬間から、とっても、楽しいことがおきそうな予感がしました。
午前の工場見学を終え、ランチは近くの割烹で。食事中、参加者から、次々に質問が出てきます。「それは、午後に言おうと思っていたんですけどね」、と苦笑いをしながら、辻さんが皆の質問に答えてくださいます。
午後の部は、キッコーマンの一会議室で。ここで、醤油の歴史、製造工程の話し、そして、8種類の聞き味(テースティング)を行ないます。詳しい内容は、議事録に譲るとして、プレゼンテーションで感じたのは、「職人の心意気」でした。
業界トップ、機械化された生産ライン。。。こういうことから、私たちの頭には「大量生産のもの=人のぬくもりを感じない商品」というイメージが浮かびます。しかし、実際、醤油作りに携わる人の姿を見、私の持ったイメージが間違えであったことに気付くのです。
私の目の前にいる人たち。。。それはまさに現代の職人でした。そして、大量に生産されているとはいえ、その商品には職人の心がぎっしり詰まっているのです。
「現在、日本のみならず、世界で醤油が使われるようになりました。でも、私たちは、醤油を売り込んでいるのではないんです。私たちが大切にしたいのは、日本の食文化を広めるということなんです。」と、辻さんは言います。醤油という一つの商品を通して、日本を伝えていく。。。素敵な仕事だなと思いました。
最後になりましたが、数々の準備と休日まで使って会にご協力いただいた、辻さんをはじめキッコーマンの皆さんに、お礼を申し上げたいと思います。そして、熱心にいろいろな質問をしてくださった参加者の皆さんにも感謝です。皆さんのおかげで、「伝え手」と「受け手」が一緒に作った素敵な会になったと思います。本当にありがとうございます。
和散歩・主宰
嘉誉
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2.議事録
クヌギ@和散歩
2.1.ご協力いただいた皆さん
2.2.午前の部
2.2.1.キッコーマン「もの知りしょうゆ館」見学記
2.3.午後の部
2.3.1.講義
2.3.2.講義の感想
2.3.3.実習「ききみ」
2.3.4.おまけ「キッコーマンさんのちょっといい話」
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2.1.ご協力いただいた皆さん
まず、今回私たちを迎えてくださった皆さんをご紹介
キッコーマン株式会社 生産本部 品質管理部 製造技術グループ長 主幹 農学博士 辻亮平さん
* 辻さんの名刺を頂戴して、「博士」の文字に固まってしまいました。とても親しみやすい方でついうっかりなついてしまいそうだったので(笑)。
辻さんのコメント
「ありがとうございます。また、和散歩に参加する機会があったら溶け込めそうですね?」
スタッフの花田さん、三江さん、中藤さん、下條さん
*期待の若手! 休日まで協力してもらいありがとうございました。
2.2.午前の部
2.2.1.キッコーマン「もの知りしょうゆ館」見学記
○野田市駅に到着
駅に降り立つと亀甲型(六角形)に「萬」のマークが燦然と輝いているのが見えます(注:キッコーマンは漢字で書くと「亀甲萬」)。近隣の市川市に生まれ育った私の期待「野田=醤油=キッコーマン」は裏切られることなく、「野田に来た!」とひしひしと感じました。
それを目印に小さな駅前ロータリーを渡り始めると、徐々に醤油の香りがハッキリしてきます。それとともに醤油への好奇心が膨らみます。
○もの知りしょうゆ館
館内に入ると廊下にはしっかり醤油の香りで満たされています。
はじめに説明ビデオをみんなで見ました。この先どんなものを実際に見るかの予習というところ。教育テレビみたいで(失礼)、「ふうん、なるほど」と素直に納得。
辻さんのコメント:
「やはりというか、当社のイメージは「まじめ」「素朴」が多いようです。。。」
○工場見学
こちらでは、醤油の材料から店頭へ送られるまでの過程を知ることができます。
1. 醤油の原料
大豆、小麦、塩(食塩水)。たったこれだけ。
辻さんのコメント:
「九州や中国地方のしょうゆには、いろいろな味つけがされています。実際、「甘い」し「だし」の味がします。原料という意味ではこれらも含まれるわけですが、麹作りは、上記の「たったこれだけ」になります。」
2. 製麹=麹菌がはたらく
蒸した大豆に炒って砕いた小麦と「種麹」を混ぜて3日間培養すると醤油の素である「しょうゆ麹」になります。しょうゆ麹を作る作業を製麹(せいきく)といいます。キッコーマンさんでは通称「キッコーマン菌」という独自の研究で改良された麹菌を使っているとのことです。
3. 仕込み=酵素がはたらく→乳酸菌と酵母がはたらく
醤油麹に食塩水を混ぜると「諸味(もろみ)」のできあがり。
タンクに入れられた諸味は1週間ほどで麹が作った酵素がはたらき始めます。酵素は大豆のたんぱく質をアミノ酸に、小麦のでんぷんを糖類に分解します。
1〜2ヶ月経つと、諸味は赤茶色になります。発酵の始まりです。発酵中は乳酸菌・酵母が活動し、有機酸、アルコール類が作られます。乳酸菌や酵母のような微生物のはたらきが醤油の味・色・香りを作り出しているのです。
微生物の活動が収まると、諸味は熟成期に入り、全体の調和が取れた状態になります。
4. 圧搾=しぼる
熟成された諸味をナイロンの布ではさんだものをどんどん積み上げて醤油をしぼります。積み上がるうちに重みで自然と醤油がひたひたとしたたってきます。さらに、プレス機にかけてしっかりしぼります。諸味からしぼった醤油を「生(なま)醤油」と言います。
5. 圧搾=品質を整える、安定させる
生醤油をしばらく置くと油や滓が分離するので、それらを取り除き、澄んだ醤油にしてから蒸気で加熱します。これを「火入れ」といい、殺菌と、酵素のはたらきを止めて品質を安定させるのが目的です。また、火入れにより火香(ひが)と呼ばれる香ばしい香りが生成します。
この後、醤油は容器に詰られ、ラベル貼りなどの過程を経て私たちの食卓に向けて出発です。
2.3.午後の部
2.3.1.講義
続いて、辻博士による醤油についての講義(パワーポイントを使った、たいへん行き届いたプレゼンテーション)を拝聴しました。
1. 醤油はどこから来たのか=大陸から渡ってきた
醤油の原型である「ひしほ」は中国から渡ってきたとするのが一般的です。中国で食べられていたものや、渡来した当初のひしほは味噌のようなペースト状で、主に魚醤(ぎょしょう、魚介類のたんぱく質を微生物で分解して作る)でした。また、調味料としてではなく、副食(おかず)として食べられていました。
2. 今の醤油になるまで=大陸の「ひしほ」は日本の「醤油」に
当初副食であったひしほは、平安時代末期から調味料として使われるようになります。
その後、味噌を水で割ったもののこし汁(たれみそ)などを経て、江戸時代初期までに関西地方(播州)の造り酒屋が副業として現在のような醤油を作りはじめました。播州は大豆・麦・塩の産地に近く、酒造の技術や装備は醤油の醸造に応用することができたからです。そして、関西地方で生まれた醤油はやがて関東、そして全国に広まっていきます。
日本酒をはじめとする日本の発酵技術はたいへん優れていて、それが醤油の発展に貢献しているわけですが、辻博士は「醤油を作り出すまでに4大発明があった」とされています。
・撒麹(ばらこうじ):
麹菌の好気的な性質を最大限に活用することができる。
旨みが増し、原料利用率も向上する。
・種麹(たねこうじ):
麹菌を木灰に混ぜることにより、よい麹菌をより純粋な状態で保存できる。
・原料の工夫
当初、大麦を原料としていたところを小麦に変えて、えぐみのないよりおいしい醤油に。
・仕込みの工夫
仕込む段階での水分量を増やす(大豆と小麦の量1に対して0.6だったのを同率にする)ことで酵母がはたらきやすくなり、より多くの香り成分が作られる。
どうして、このように「副食」のひしほが醤油という「調味料」に発達したのでしょうか?
辻博士のお話によると、日本を含めたアジアでは古来、畜肉を食べることはタブーとされ、植物性食品を中心とした食生活でした。そのため、「うまみ」を補うことが必要となり、調味料が発達したと考えられる、とのことでした。なるほど!
3. 醤油の作り方
作り方は「工場見学編」またはキッコーマンさんのHP「しょうゆ博物館」を参照してください。ここでは、辻博士と4人のスタッフの方が特別にご用意くださったもの(通常の工場見学では見られないもの)を中心にご紹介。
醤油を作る上で、原材料以外の不可欠なものとして「麹菌」と、発酵過程での乳酸菌や酵母などの「微生物」があります。
・しょうゆ麹
昔ながらの木箱に、大豆・小麦・種麹を混ぜ合わせたものをサンプルとして経過時間別に用意してくださいました
いちばん時間の経っている(42時間)ものは、全体にびっしりと菌糸と胞子(黄色い粉状)がついています。触るとすぐに手が黄色くなります。手触りはすこし湿っていて、ほろほろする感じです。
麹菌はとても繊細で、人の手が触れてしまうと、もう醤油にするためには使えないそうです。もったいないけど、私たちがつついたものは、お役ご免になってしまいます(合掌)。
醤油麹を作るときに加えられる麹菌=キッコーマン菌は、まさしく「企業秘密」です。しかし、実のところ、ここに混ぜられていたのはキッコーマン菌ではない、並みの?麹菌だったとのこと・・・。それでも菌のついた手はよ〜く洗って、証拠は全て水に流しました(笑)。
・諸味
諸味についても経過時間ごとのサンプルを見せていただけました。こちらは、主に香りの違いを体験しました。はじめは甘酒のような香り、それからだんだんみその香りに近くなって、最後は醤油の香りになります。
・香り成分
醤油に含まれるの香り成分は約300種類にまで達するそうです。その中から、特徴的なものとして、2つの香り成分の純粋な液の香りを試してみました。
a. マツタケオール:
きのこの香り。「まつたけ」より「しめじ」に近いと思いました。
b. HEMF:
カラメルの香り
こんな特徴的な香りが、実は醤油の香りに含まれていたとは!想像もつきません。
・乳酸菌・酵母、ご先祖様
諸味が発酵しているときに活躍するのは乳酸菌と酵母です。乳酸菌は諸味を弱酸性に保ち、酵母菌はよい香りを作ります。
現在、キッコーマンさんではとくによい乳酸菌・酵母を探し出して使っています。では、そのような技術のなかった頃は?というと・・・。
長年使いつづけている樽には、乳酸菌や酵母が染み込んでいて、それらが新しく仕込んだ諸味にも作用するそうです。このような微生物を「ご先祖様」と呼ぶとのこと。感謝と親しみのこもった呼び方に、聞いている私たちも思わずにっこりしてしまいます。
・醤油しぼり・・・ミニチュアを使った実演
工場では20mくらいの超大型だった醤油しぼりの様子を、ミニチュアを使って間近で見ることができました。(この装置は後日放映されたプロジェクトXのスタジオでも使われていました。)
実際に工場で使われているのと同じナイロンの布に諸味を流し込み、徐々に四角い筒に折り重ねていきます。しばらくすると袋自体の重みで、醤油がしたたってきます。
最初は袋の目が詰まっていないので、比較的濁った醤油が出てきますが、時間を追うごとに澄んだものが流れてきます。ビーカーに入れて比べると、差は歴然。
2.3.2.講義の感想
「日本人の良いところは、新しいもの、他国のものを「受け入れ」、それをさらに、より自分たちに合うように「変えていく」能力にある」
と言ったのは、キッコーマン野田本社を訪れる3日前の私です。今回こちらの工場を見学して、辻博士のお話を伺って、またこの私自身の考えは間違っていなかったと思いました。
それと、もうひとつ気づいたこと。それは、機械化や大量生産がされていても、昔ながらの伝統的な作り方と実は同じである、ということです。
私たちが心おきなく毎日使える味、安全、価格を維持するのに必要なだけの機械化と大量生産なのですね。キッコーマンさんは自分たちが楽をするためにそうしているのではないのです。
大型の機械で大量生産と聞くと、「手抜き」とか「科学的」と想像しがちですが、そうではないものがあるのです。
2.3.3.実習「ききみ」
最後はいよいよ醤油のテイスティング、「ききみ」です。
今回はただ教えていただくだけでなく、醤油の味についての消費者意見を提供するという形で、キッコーマンさんにお返しをすることになりました。ゆえに、参加者全員、かなり真剣。
今回は、キッコーマン製品と小規模の醸造所で作られた「手作り醤油」合計8種類に挑戦です。ききみは「香り」と「味」についてブラインドテストで評価します。この中でのキッコーマン製品の位置付けは「手作り醤油の味にできるかぎり近づけた工場生産の醤油」です。
単に香りをかいで、なめてみるだけなのですが、これが難しいのですよ。いつもあれだけ使っているのに「醤油の香り(味)ってこんなだったかなあ」なんて思ったりしました。8種類の醤油の香りと味は全く違うということです。これは私の主観ですが、中にはすうすうするような香り、「これって醤油の香り?」と思うようなものもありました。それが味となるとこれまで食べたこともないこくがあったり、香りのわりに味は塩気が勝っていたり、順位をつけるのにはたいへん苦労しました。
辻さんのコメント:
「私たちも順位をつけるのがたいへん難しく苦闘しています。というのは、普通にききみを行うと当社製品が圧倒的に上位に来てしまう訳で、これでOKとしてしまうには問題がある、と考えているからです。自分たちの醤油には自身や誇り(ちょっとかっこ良過ぎますが)があっても、これが皆さんすべてに受け入れられるかというと、別の話かもれしれません。ということで、今回の皆さんに「真剣」に取り組んでいただいたききみの結果は、おおきな財産です。ありがとうございました。」
ちなみに私が味・香りともいちばんにしたのは毎日使っている「キッコーマン特選丸大豆醤油」でした。
正直にいうと、これまで醤油を選んだことはありませんでした。子供の頃から食べつづけているだけという理由で、あえて悪く言うと惰性でキッコーマン醤油を選んでいました。
辻さんのコメント:
新しいものを食する楽しみがある一方で、食の好みはなかなか変わらないという意味で「保守的」とも言いますが、「良いもの」のひとつとして皆さんの生活に溶け込んでいるのは、たいへんありがたいことです。
そして、ききみをしておいしいなあと思ったのはその醤油だったのです。たしかに、いちばんなのですが、感想は「普通においしい」でした。醤油は毎日の食生活の「おいしい」を作っているんだなあと思いました。
2.3.4.おまけ「キッコーマンさんのちょっといい話」
あんまり言い過ぎると「まわしもの」と思われそうなので、おまけとして。でも、今回うかがって、「キッコーマンを食べつづけてきてよかった!」
本醸造を守った
戦後、醤油の原料となる大豆が不足し、GHQから醤油作りのための大豆の使用を制限されました。それはキッコーマンさんだけでなく日本の醤油メーカーが伝統である本醸造を守りきれない危機でした。そんなとき、キッコーマンさんは自分達が研究を重ねて開発した、大豆の原料効率を飛躍的に伸ばす新技術を無償で提供しました。そのおかげで少ない大豆で本醸造の製法が可能となり、日本の醤油は守られたのです。
食文化を広める
アメリカへの進出も果たし(この点はプロジェクトXに詳しく描かれましたね)、いまや世界中で使われているキッコーマン醤油。キッコーマンさんは「調味料ではなく、食文化を世界へ伝える」という気持ちで取り組んでいるそうです。キッコーマンさんの心意気を感じます。
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3.参加者の感想
味や香り、色など、五感で楽しめるのが大学の講義と違って面白いと思いました。また、メンバーからの活発な質問の多さにびっくりです。やはり、自分が興味を持っているテーマだと、リラックスして入り込めますね。食は、実体験が命なので、キッコーマンの醤油がさらに親しみのあるものに思えました。辻さんの説明は、テンポよくてとても分かりやすく、退屈しませんでした。ありがとうございます(出版社勤務・男性)
あまりに日常過ぎて具体的な質問が思い浮かばなかったのですが、奥が深いー。郷土の味なんだろうと思いました。土地に根ざした料理にきっと合うと思いました。醤油の味や香りを大切に料理していこうと心に誓った(税理士事務所勤務&ティーコーディネーター・女性)
伝統の味を、大量生産の中でしっかり生かせていることを感じられたことが大収穫です(自営業・男性)
メーリングリスト上でのディスカッションは、まだあまり参加していないので分かりませんが、和散歩の会のテーマは面白そうです。今回の企画、内容は最高によかった。とても興味深い充実した内容だった。また、辻さんの詳しい丁寧なご説明にとても感謝しています(ビールメーカー勤務・剣道・居合道愛好家・男性)
今回参加して、醤油に関し、盛り沢山な内容で非常に勉強になりました。自分の会社以外の工場見学も久々でしたので楽しかったですが、一番よく分かったのは自分がいかに醤油について知らなかったっていうことでしょうか(電機メーカー勤務・男性)
醤油は生き物(微生物)が作っているのだと分かり、感動しました(自動車会社勤務・女性)
内容の濃い充実した会でした。醤油の奥深さと、世界へ誇るべきものだということを実感できた。一つの製品をつきつめていく大切さを感じた(広告代理店勤務・男性)
微生物などを使った日本伝統の調味料をあれほど大規模に生産し、しかも、水より安く作れるテクノロジーを目の当たりにして、実感出来て良かった。それが、科学的に作るより効率的で安全なものであったことも、見逃せない。案内していただいた、辻さん、かよさんに感謝(情報機器メーカー勤務・男性)
醤油の歴史や品質を教えていただき、日本人は中国をはじめ外国から来たものを日本風味に(もとのものより、オリジナル性、品質が高いもの)変えるのが、得意な人種なんだとあらためて思った(事務職・女性)
今回の醤油は、慣れ親しんだ題材であったが、奥が深く気付きが一杯あった。昔から、日本では、こだわりを持った、すごい技術があったんだということを認識できた。意外と、日本には身近なところにもいろんなこと(技術、作る人のこだわり)があるんだなぁと思う。あと、キッコーマンはいい会社だし、いい人だなぁと思った(通信会社SE・男性)
今回は、何と言っても辻博士と4人のキッコーマンのスタッフに感謝ですね。1日にして醤油博士になった感じです。
今回の会では、特によかった点が3つあります。
1.発酵技術を活かした日本文化の一つである醤油の理解が深まった
2.大量生産=よくない製品というイメージをキッコーマンについて払拭できた
3.伝統を守るということと、古い技法を踏襲することは同じではないと気づいた
1.については、仏教の時にも感じた異文化を上手に日本の中に取り込んでいく、日本人の技術力や(味への)こだわりを感じました。やはり繊細な民族なんだなぁ、と改めて思います。
2.は、僕の思い込みがあったのですが、キッコーマンって、非常にまじめで誠実な企業なんですね。また、醤油のテイスティングで価格の差ほど、味や香りに差がないことに納得できたのは非常に貴重な体験でした。キッコーマンは大量生産だから美味しくないだろう、伝統的な製法だから美味しいに違いない、というのはどちらも僕の勝手な思い込みでした。
3.は、伝統の本質ということを考えさせられました。能や歌舞伎は確かに伝統を守っていてそれは意味のあることなのですが、本質は観客に感動を与えることですよね。キッコーマンは美味しい醤油を大量に安定して提供したいという本質を守るために工業化を選んだ。しかし、醤油の製法や成分の基本的な部分については守り通した。同じ発酵製品である日本酒が、残念ながら守りきれなかっただけに、素晴らしいと思います。
(デザイナー・男性)
辻さんのコメント:
「上記の感想の、2.については、私も気にかけていた部分なので、皆様からこのようなご評価を受けることができ、大きな糧となりました。逆に大量生産のために犠牲にしてはならないものを今後とも守り続けていくことの大事さを今一度痛感させられています。
3.でのコメントは、私たちも学ぶところが多いものです。普段考えていることを使う立場の方からまとめていただき今後に是非役立てたいと思います。
最後に
このような高い評価と信頼を頂いたことを、私たち一同たいへん感謝するとともに、今回の取り組みが間違っていなかったと満足感と安心感を持つことができました。一方、今後このような会に協力することや、積極的に場を提供することがいかに大事かを教えていただきました。
今後とも、よろしくお願いいたします。」