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第16回「着物を通して考える日本の“衣”と“装い”」

1.はじめに
2.議事録
3.参加者の感想

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1.はじめに
2003年12月6日、東京で、和散歩・趣き深き会 第16回「着物を通して考える日本の“衣”と“装い”」を開催しました(参加者11名)。これは、その議事録と参加者の感想です。

今回は会を3部に分け、それぞれ、違う場所を「和散歩」。雨の天気予報にひやひやしていたのですが、さすが強運?なんとか天気ももちこたえてくれました。着物姿(しかも、大島紬!)で参加くださった方もいて、場も華やぎました。

第一部の銀座もとじでは、めったに触れることのない反物にたくさん触れ、試着もさせてもらいました。第二部の「銀ブラ」では、銀座松屋を歩き、衣・食・住にある日本らしさを探しました。第三部では、三田にて、2グループに分かれディスカッション。活発な意見が飛び交い「衣」や「装い」について考えを深めることが出来ました。

今回は、朝9:25集合と、早いスタートだったのですが、「早起きは三文の得」。とっても有意義な一日になりました(よね、皆さん!?)。

最後になりましたが、大島展の初日というお忙しい中、会にご協力いただきました銀座もとじ泉二社長をはじめ、スタッフの皆様、本当にありがとうございました。また、活発な意見で会を盛り上げてくれた参加者の皆さんにも感謝です。なお、本議事録における発言は参加者の主観です。あらかじめご了承ください。

では、次回、お会いできる日まで!

和散歩・主宰
嘉誉

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2.議事録

書記:藤永さん&嘉誉@和散歩

2.1. 第一部「銀座もとじで着物を実際に見る・触れる」
2.1.1.着物を着ることのメリット
2.1.2.男の着物はらくちん!
2.1.3.着物の美学
2.1.4.着物の繊維
2.1.5.着物の格
2.1.6.格が高いからといって、値段も高いわけではない
2.1.7.着物のアイテム
2.1.8.着物の価格
2.1.9.着物を見立ててもらう!

2.2.第二部「銀座散策で、現在ある“日本らしさ”を探す」

2.3.第三部「ディスカッション」
2.3.1.着物のよさ、面白さ
2.3.2.着物のネック
2.3.3.現代の日本にあった“衣”や“装い”ってどんなもの?
2.3.4.こうすればもっと着物を着るようになる!
2.3.5.その他

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2.1.第一部「銀座もとじで着物を実際に見る・触れる」
第一部では、銀座もとじ「和織」にて、泉二社長から着物の基礎、反物の知識、コーディネート術などを教えていただきました。

2.1.1.着物を着ることのメリット
人は見られることによって、美しく&かっこよくなる。着物はまさに人の存在感を高めてくれるアイテム。また、着物を着ることによって、気持ちがびしっと引き締まる。また、着物の帯はコルセットの役割になるため、腰痛もちの人にもGood!

2.1.2.男の着物はらくちん!
女性の着付けに比べ、男性の着物は着流し(体にまとって、紐で縛るだけ)。簡単に着れるからラクチン!

2.1.3.着物の美学
男性の着物は長襦袢や羽織の裏地が派手である。なぜか?昔の男性は、お茶屋や遊郭で「脱ぐ」文化があり、かっこいい裏地の着物を着ていると女性にもてた。女性も、歩く時に見える八掛(裏地)の色・柄や、襟元の重ねの色合でおしゃれをする。

2.1.4.着物の繊維
巾が広いため、繊維の違いによって、それぞれの風合いを楽しめる

絹:着物を一着仕立てるためには、かいこ蛾の繭2700個が必要(昔、絹は貴重品だった。それを生み出す蚕も「お蚕様」と呼ばれるぐらい大切なものだったため、「1頭2頭」と数えるようになった)

植物繊維:木綿、芭蕉布(バナナの木の繊維)、藤布(藤の花の茎)、麻、楮、三椏、等。芭蕉布などは撥水性が高いため、夏の着物としてぴったり!

2.1.5.着物の格
第一礼装:
黒紋付(男性:紋付羽織袴)

第二礼装:
色紋付(男性:単色の着物と羽織+はかま。五つ紋、三つ紋、一つ紋がある)。紋は、染め抜きと縫い紋(刺繍)があり、染めの方が格上

普段着:
紬(第一・第二礼装に使われる絹織物の糸は、蚕の繭が破裂していない状態から取る。紬の場合は破裂したものを綿にして、そこから糸を紡ぐため、糸の太さが均一でない。布地にちょっとぽこぽこしたものが出るのはこのため)。

その他、小紋、ウール、植物性繊維の物など

2.1.6.格が高いからといって、値段も高いわけではない
大島紬などは、一反を作るのに半年かかる。それだけ、手間ひまがかかっているのだ。よって、価格的に礼装よりも高価なことも。

2.1.7.着物のアイテム

アイテム

洋服でいうと?

羽織

ジャケット(着物と同一の生地ならスーツ)。ただし、女性の場合は着ないほうが正装。

羽織紐(羽織の前を結ぶ紐)

ネクタイ

着物

男性:ワイシャツ+ズボン、女性:スーツ、ワンピース

帯:男性用は、角帯(外出用)、へこ帯(室内など気楽なときに)。女性用は袋帯、名古屋帯などがある。

ベルト

長襦袢

着物を綺麗に着るための下地

腰紐

長襦袢や着物をとめる紐

肌襦袢

下着

足袋

靴下

草履

2.1.8.着物の価格
素材、作り手によっても価格は様々。浴衣の安いものは数千円。着物は、仕立て代込みで、最低10万前後から。大島紬で15-100万円(もちろん、高いものは果てしなく高い)。その他、羽織紐1-7万円、角帯1-7万円、長襦袢2-100万円、草履2-10万円、その他5万円。大体合計すると25万円が最低線のようでした。

2.1.9.着物を見立ててもらう!
平田さんには、黄八丈、藤永さんにはグリーン系の大島紬の着物に、やや赤の入る濃い紺の羽織を試着していただきました。

一反の反物が、スタッフの方の手にかかるとあら不思議!着物の形になっていくのです。

藤永さんは薦められた着物が、かなり気に入ったようで、和散歩終了後もとじに舞い戻り、購入しようとされたのですが、なんと売れてしまってました。「気に入ったので後できます」といったのですが、声が届いていなかった。。。「取り置きして置いてください」と言わないといけなかったそうです。

そこで、御召など3通りの組み合わせを改めて試したようですが、最初のイメージが強く(+高かった。苦笑)、購入する決断ができなかったとか。でも、また次回ゆっくり見たいと思ったそうです。

2.2.第二部「銀座散策で、現在ある“日本らしさ”を探す」
銀座松屋で、衣・食・住に見られる「日本らしさ」を探しました。切り口としては、色使い、素材、柄、等いろいろあります。また、洋の中にある日本らしさ、日本のものの中にある洋といった混ざり合いもありますね。

藤永さんが見つけたのはこんな感じ。
・ルイヴィトンの店外の大きなディスプレイ。白い四角い小紋柄で和の感覚。
・ガラス彫刻は江戸切子にそっくり(ボヘミアンガラス工芸が日本に入り、日本の感性と融合して切子柄は生まれたが、それが海外でまねられるようになった)
・フランスのWaterman万年筆の軸は漆
・北島純子さんのガラス工芸。淡い色のグラディエーションに和を感じる
・ ルイヴィトンのかばんコーナーの照明と伊万里焼の磁器のコーナーの照明が同じようにやや薄暗い間接照明

嘉誉が見つけたのはこんな感じ
・ 私も和のものには、間接照明が合うと思った!
・ 衣・食・住の中でも、食・住には普段の和があるけれど(和食器や、畳・座布団などは普段でも使う)、衣には普段の和がない(着物は普段着というより、フォーマルな装い)。

2.3.第三部「ディスカッション」
2グループに分かれ、「着物のよさ、面白さ」「着物のネック(着物をなぜ普段着ないのか)」「現代の日本にあった“衣”や“装い”ってどんなもの?」という3点に関してディスカッションをしました。

Aグループ(平林さん、平田さん、原さん、鈴木さん、藤永さん、嘉誉)
Bグループ(神谷さん、森田さん、佐野さん、川口さん、高橋さん)

2.3.1.着物のよさ、面白さ
・ デザイン性:色・柄に意味がある
・ TPO、格が着物には有る
・ バリエーション:組み合わせ、重ね着、素材。同じ着物でも、小物一つでどんな年齢の人でも着れる。
・ リサイクル性:袖だけとか、襟だけとか、仕立て直しができる。染め替えも出来る。
・ 夏涼しく、冬暖か、高温多湿な日本にぴったり(風土に合っている)。夏このコンセプトを取り入れれば、省エネになるはず。冬も重ね着で暖か。
・代々続けることができて経済的
・収納が楽、場所を取らない

2.3.2.着物のネック
・時間がかかる:着るにも、しまうのも時間がかかる。ゆとりがないと着れない
・ 価格:着物だけで最低でも10万(それに、小物等をあわせたら。。。)。普段着の価格帯がない。
・ 汚れが気になって、雨の日や満員電車に乗るのに躊躇する(満員電車で草履をはいていると、足を踏まれそうで恐い)
・ 生活様式に合わない(床で過ごす日本の住環境と、机&椅子、階段などある洋式の住環境)。家の外でも、コンクリート、階段、満員電車、、、忙しく煩雑な現代の環境に着物は合ってない。
・ 着物を着ていくところがない。特に、男性は会社には着ていけない(就業規則に違反する)など着物を着ることのハードルが高い。
・男性が着物を着ていたら「普通でない人(呉服屋さん、歌舞伎役者等、特殊な世界に住んでいる人)」という目で見られる
・ 着付けが難しい
・ 服よりも着ていて苦しい

2.3.3.現代の日本にあった“衣”や“装い”ってどんなもの?
全体を通して、「着物のコンセプトは面白いし、現代でも活かせる。縫製など風土にも合っている。今かけているのは、そのバリエーションではないだろうか」という意見が多かったです。

例えば、
・ 上半身だけの着物ってできないかな。
・ 柄や素材を和風にした洋服がもっと増えてもいいかも。
・ 動きやすいデザインの和服があってもいいんじゃないの(昔は、作務衣など作業着的な服がたくさんあった。おしゃれで且つ動きやすいデザインのものがあってもいいのでは)?
・夏の通気性のある着物の縫製を活かしながら、もっと価格的にも安くて、動きやすくて、着るのに時間がかからなくて、おしゃれなものが出来れば買い!

2.3.4.こうすればもっと着物を着るようになる!
・着物を着ることがおしゃれという雰囲気を作る。そのいい例が、浴衣。デザイナーがこぞって今にあったデザインを出しているので、おしゃれ。花火大会には女性、男性問わず浴衣姿が増えてきた。
・ 社会のトップが着物を着れば庶民も着物を着るようになる(天皇陛下、首相、会社の社長等が、海外を訪問する時、着物でなぜ出席しないのか)。
・ ルイヴィトンやエルメス、シャネル、キティなどのブランド着物が合ったら売れるのでは。
・ ユニクロなどが低価格でバリエーションの豊富な着物を作ればもっと気楽に着れる!

2.3.5.その他
日本以外の国で着物を作っても、それは着物といえるの?という意見が出ました。現在、大島紬などでも中国で織っていたりするものがあるそうです。そのため、「現地で織りました」というラベルをつけることによって生産地の保護をしているとか。

エネルギー危機、二酸化炭素問題の解決には、風土に合った着物を着ることが有効ではないか。

着物を着る着ないは、幼児期に着物を着ていたかそうでないかに左右されるのでは。

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3.参加者の感想
正直言って着物について何も知らない状態で参加しましたが、色々なことがわかって非常に有意義でした。男性用の着物が思った以上に簡単に着れることに驚き、さらにいろいろと着るのも楽しそうで着物が身近に感じられました。いつか着てみたいなぁということも感じてしまいました(電機メーカー、携帯電話の営業・男性)

着物を着てみたいなと思いました。和のものなのに、テクニカルタームが多くて言葉がわからないというのに驚きました。それをすべて見せて説明してくださった泉二社長に感謝。コーディネートしてくださった大島は購入したいと思っています。但し、いろいろ小物他買い揃えねばならぬ面でハードルが高いですね。着るチャンスがというレベルではコストパフォーマンスが悪すぎるかな。「風土に合う」=>「省エネルギー」=>「地球にやさしい」がひとつのキーになりそう(薬品関係・男性)

普段敷居が高くて入れない「呉服屋」さんのお話を聞けたのが面白かった。泉二さんでの「反物の試着」「男性の着付け」「いろいろな織りの着物」の見学が楽しかったです。ディスカッションでの、なぜ和服なのかというポイントを自分でももっと掘り下げてみたいと思いました(マーケティングサポートサービス・女性)

呉服屋さんに行ったのはほぼ初めてだったので、布地の素材の多様さに驚き、見立ての時、一枚の反物からあそこまで仕立てた時の形に近く着せ掛けることが出来るのにも驚きました。午後のディスカッションでは、着物が広まらない理由がなんとなくわかったような気がしました(女性)

敷居の高い(と思われがちな)呉服屋さんにフレンドリーでリーズナブルなところがあるとわかり、より幅を広げて楽しめそうです。もとじさんには、またおじゃましたいと思います(教育関係・女性)

自分の発想と違う意見、話が聞けて面白い。着物に対しての抵抗が多いのにびっくりした(特許事務所勤務・女性)

着物の奥行きをまた感じられました。日本の気候風土に合った、リサイクルに向いた素材であることの再認識が出来ました(会社員・男性)

伝統でも何でも、いいものを進めていくといいのではないかな?伝統の中にいいものがある可能性は高いが(教育関連・男性)

紬各種を見られて目の保養になりました。もとじさんは、良心的、且つ、まじめなお店だと実感しました(会社経営・女性)


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