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その5(田舎暮らし):田舎で自然と楽しく遊ぼう!

*現代日本における田舎ライフの幻想と光*

私の実家は、京都の伏見桃山にある。竹やぶや松林などの多い、緑に囲まれた住宅地で、伏見桃山城、桓武天皇陵には歩いて5分でいける。自然に囲まれて育った小さい頃の私は、食べられるものを摘んでくるのが大好きだった。むかご、ノビル、ワラビ、銀杏、、、こんなものを取ってきては、母親に料理してもらうのだ。木に登るのも好きだった。うちの庭の松の木など、私に登ってくださいとばかりに斜めに傾いていたので、よく登って遊んだっけ。昔の私には、目の前に自然のおもちゃとジャングルジムが沢山あったのだ。

今年の3月、文明のほとんど入っていないフィリピンのカオハガン島で、落ちている椰子の実をかじったり、木に登って遊ぶ子供を見、自分の小さい頃を思い出した。竜巻が来てさえ、それを遊びに変えてしまう子供、笑って洗濯を始めてしまう大人。3週間彼らと過ごし、考えたことを、旅日記その10の中で、こう書いた。

『そして、私が彼らから何を学ぶべきか。。。竜巻の時、彼らに学んだ「物に執着しないで生きていける強さ」や「自分の土地にあった暮らしを考えること」でしょうか。なんとなく、日本古来の衣食住や伝統文化の中にそのヒントがある気がしています。昔に学べは、たくさんのお金を使って物を買わなくてもゆとりを感じられる生活がおくれるかもしれない。』

このメールを受けて、友達からこんなメールをもらった。

『日本で田舎ライフをしようと思ったら、たくさんのお道具がいります。子だくさんで子どもやじいさんばあさんを労働力にできればいいのだろうけど、核家族で、少しは自然と関わって生きていこうとすると、本当にたくさんのものがいる。

田舎でシンプルライフ、のはずが、思わぬたくさんのものを買うハメになり、本当にとまどっています。ダッシュ村を見ていてもわかるけど、そばを育て、そば粉にし、そばを打って食べると言うことだけでも、実にたくさんの道具が必要です。

「ものに固執しない生き方」はあこがれるし、実際気持ちいいものではあるのだけれど、もし日本でものに固執しない生き方があるなら、それは農村ではなく、コンビニの上のマンションに住むことかもしれないと思ったり。冷蔵庫も要らない生活ができるかもしれません。』

確かに。今の私には、文明の利器をすべて手放すことは出来ない。昔に戻ろうとも思わないし。でも、土地に根付いた日本古来の生活に、今の私たちが学ぶべき何かが隠されているような気がするのだ。

そんな私に、友達はこういった。

『でも一方で、日本の自給自足的里山生活は、自然を相手に楽しんだり何かを生み出したりという技術の宝庫なんだよ』

里山は、楽しむことと生み出す技術の宝庫。。。一体、どういうことなのだろう。早速、友人の家へ遊びに行くことにした。

*八ヶ岳で自然と楽しく遊ぼう!*

「日曜日の夕方、東京と逆方面はすいすいだねぇー」と反対車線の渋滞を尻目に、優越感に浸りながら、向かうは山梨県の八ヶ岳。ここには、さっきのメールをくれた我が田舎生活の師匠・渡辺パコさん、BIBI子さん、ウポルちゃんの住む「六兼屋」がある(ちなみに、勝手に師匠と仰いでいるだけです、ハイ)。

パコさんは私の師匠である以外に、経営コンサルタントをしていたり、Quality of Lifeの向上を考えるWebサイト「知恵市場」を主宰している。パコさん一家は、この八ヶ岳の家と東京目黒の家を、おおよそ月の半分ずつぐらい、行ったり来たりしながら生活している。こんなことをいうと、なんかエリートで堅物のビジネスマン、超リッチでお高くとまってそうな人と思われるかもしれないけれど、大はずれ。いつ会ってもほんわかした雰囲気をもっているし、生活ぶりがとっても自然体。花でいうなら、温室育ちのユリとかランじゃなくって、太陽をさんさんと浴びたひまわりとかタンポポ、みたいな。

「渋滞にもはまらなかったし、楽勝楽勝!」。最近買った元ちとせのアルバムを聞きながらルンルンでつくと思ったのだが、甘かった。さすがのナビ君も山奥はカバーしておらず、六兼屋近辺を30分近くもぐるぐるしてしまったのだ。まるで、壊れたレコード状態。。。来るのは今回で3度目。だから、わかると思っていたのだけど、田舎の道って本当にわかりにくい。。。ギブアップし、パコさんにピックアップしてもらう。とほほのほ。。。

「いらっしゃーい」
大きく手を振りながら、庭で、BIBI子さんとウポルちゃんがお出迎え。

「うわぁー、すごい。丸太の道が出来てる!」
六兼屋と書かれた木のゲートをくぐると、輪切りにした丸太を敷き詰めた道がお庭に続いている。お庭には新たに植えられた、ハーブやお花がいーっぱい。

「ねえねえ、パコさん。山桜どーれ?」
「これだよぉ。」
初めて来た時、記念植樹した山桜の木。山から引っこ抜いてきた時は、ひょろっとした木だったのに、もう葉っぱをつけている。植えてくれたのはパコさんなんだけど(ワタシズボラアル)、自分の子供が成長しているような気がして嬉しい。

パコさん一家は日常生活を楽しむことの天才である。まずは、パコさん一家の「お家作り」。このお家を設計したのも実はパコさん。プロじゃないけど、試行錯誤して創りあげたそうだ。「屋根がね、均等じゃないでしょ?こっちが長くて、こっちは短い。途中でね、予算がなくなったんだよ。あはは」。。。あはは。。。でも、それがこの家をもっと素敵にしている。

色をコーディネートしたのはBIBI子さん。パステルカラーの壁と、真っ白の木綿のカーテン、、、いわさきちひろの世界がそこに広がっているような、ほんわかした色使い。「ビッちゃんの色へのこだわりはすごいんだ。僕は彼女の世界を尊敬している」とパコさんは言う。そんななかで、8歳のウポルちゃんがぴょんぴょん跳ね回りながら遊んでいる。

お料理だって、楽しい。この間食べた「ふきのとうのピザ」は春風の味がした。今回のヒットは、なんといってもパコさん特製「ハーブたっぷりカレー」。ルーの中には、もちろん沢山スパイスやハーブが入っているのだが、何といっても決め手はトッピングの自家製ラベンダーとスイートマジョラム。一口食べると、お口の中でふわぁーっとハーブ園が広がっていく。「はぁー、スイートマジョラム美味しいわぁ。。。」自分で摘んできたスイートマジョラムにうっとりしながら、BIBI子さんはカレーを口に運ぶ。

パコさん一家を見ていると、自然の中にある日常生活のプロセスを楽しんでいるというのがよくわかる。生活だけではない。ウポルちゃんの学習にしてもそう。道端に花が咲いている->なんだろう?->植物辞典で調べる->発見する。自分がなんだろうと思うことを、調べたり聞いたりして学ぶ。まるで呼吸でもするように、ごく自然な流れの中で。自分に無理なことはやらない。でも、ちょっと不便でも、楽しいと思えばどんどんやってみる。

「最近ね、チェーンソー入手したんだ。赤松の大木と格闘遊びなんて、楽しーぞー。雑草もね、ばっさばっさとなぎ倒しちゃうんだ。かよぴょんもやる?」
パコさんの楽しい授業はネタの尽きることがない。

楽しむことの次は、生み出すことを教えてもらわなくちゃ。田舎の生活に、どういう生み出す技術が隠されているのか。これは、また次回に。

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