日本人が日本のことを語れるよう、日本の様々な文化をごく簡単にまとめたメディアって、意外と少ない。
そこで、随筆で取り上げた項目を中心に、「○○って何?」と聞かれたら3分間以内で答えられるよう、簡単にまとめたのが、この和散歩「豆知識」。まれに長いのがありますが、わかると便利だなと思った要素がぎゅぎゅっと詰まっているはずです。
各分野の専門家ではないので、間違えがあるかもしれません。その際は、是非是非、和散歩までご連絡ください。
和散歩「豆知識」。すこしずつ、内容を充実させていこうと思います。気長にお付き合いくださいね。
********************
豆知識・一覧(あいうえお順)
囲碁 雅楽 着物 米 茶道 仏教 落語 ********************
囲碁
囲碁は日本を代表する室内ゲームの一つ。囲碁のはじまりは、四千年ぐらい前、中国と言われています。日本に渡った時期は、五世紀頃朝鮮を通して中国から伝えられたものと考えられます。
囲碁は当初、貴族の間で広まりますが、武士、僧侶などの知識階級から、さらには農業、商業の人々の間にまで広まって行きます。
プロの始まりは、戦国時代。織田信長が囲碁の上手な日蓮宗の僧侶・日海(にっかい)の対局をみて「名人」とたたえたそうです。これが、プロ棋士の第一号といってもいいでしょう。彼は、後に本因坊算砂(ほんいんぼうさんさ)と呼ばれます。これが囲碁のタイトルの一つともなっている「本因坊」の謂れです。
囲碁は2人のプレーヤーがそれぞれ黒と白の石を使い、領土を競うゲームです。それぞれの石でより多くの領土を囲むことができれば勝ちです。
囲碁をはじめるのに必要な道具は、碁盤と碁石。
正式な碁盤は、縦横19の線が引いてあり、19X19=361の交点があります(これを、19路盤といいます)。石はこの交点におきます。交点のうち、九ヶ所に黒い点がついています。これを星といい、とくに中央の星を天元(てんげん)と呼びます。昔、中国では、碁盤を宇宙、碁石を星に見立て、カレンダー、占いに使ったのではないかといわれています(交点の361も、1年の日数365日とほぼ同じですね)。
碁石は黒と白があり、強いほうが白を持ち、弱いほうが黒を持つことになっています。碁石を入れる器を碁笥(ごけ)といい、本体とふたからなっています。対局中に取った石は、このふたに入れておきます。
対局では、黒から打ち始め、線と線との交点に一手ずつ変わりばんこに打っていきます。実力の差がある人との対局では、置碁(その差に合わせ黒石をあらかじめいくつか置き、対局を行なう)のハンディキャップをつけて打ちます。この場合は、白から打ち始めます。
現在の囲碁の主なタイトル戦には、名人戦(朝日新聞)、棋聖戦(読売新聞)、本因坊戦(毎日新聞)などがあります。
プロは初段から九段まで。アマチュアは25級から八段まであって、碁のアタリ(もう1手で相手の石が取れる状態)がわかれば25級となります。
世界の囲碁人口は約2500万人。そのうち、日本は1200万人を占め第一位です(第二位は中国の600万人、第三位は韓国で400万人)。
囲碁は医学的にも評価され、右脳を刺激し、判断力を高め、ストレス解消に効果があることが認められています。また、自由に「かたち」を創り上げていく囲碁は創造性や発想の豊かさを養います。貴方も、囲碁をはじめてみては?
お薦め囲碁サイト
インタラクティブ囲碁入門
説明を読むだけではなく、実際に打ちながら囲碁のルールと基本的なテクニックを学ぶことができます。
日本棋院の楽しい囲碁入門教室
基本的なルールのほか、囲碁の豆知識、練習問題などが充実しています。
********************
現在の着物(和服)の原型ともいえる、小袖(こそで)が登場したのは平安時代。その小袖は、現在の着物より、袖が小ぶりで、着物丈は身の丈と同じぐらいのものでした。
着物と帯の種類は、下記のようなものが代表的です。
着物類 留袖 ミセスの礼装。下襲(したがさね)か、比翼仕立て(ひよくじたて:簡単にいえば、重ねたように見える工夫)になっており、普通の着物より、一枚多く重ねている(ように見える)。五つ、三つ、または1つ紋付が入っている。 振袖 ミスの礼装。袂(たもと)の長さが膝頭から長いものではくるぶしの位置まであるもの。 訪問着 留袖、振袖以外のもので、白生地を着物の形に裁った後、模様を描き、縫い合わせるという「絵羽仕立て」にした着物(他にも、いろいろあるけど、大きくはこれが特徴)。 小紋 同じ柄を型染めしたもの。細かい模様が多い。 黒紋付羽織袴 男性の礼装。第一礼装では、黒羽二重、染め抜き五つ紋付きの長着(着物)と羽織に仙台平の袴をつけます。
帯 袋帯(女性用) 礼装用の帯。表の部分にのみ柄があり、幅30.5cm、長さ4m前後のもの。 名古屋帯(女性用) たれ(お太鼓などの結びの際、柄になる側)は普通幅、て(その逆)は半幅になっているもの。長さは、3m60cm前後で、袋帯より少し短い。 半幅帯(女性用) 幅が普通の半分で、長さは、3m60cm前後の帯。普段着に使うことが多い。 角帯(男性用) 幅約10cm、長さ4m前後のしっかりした帯。礼装から、趣味的なものまで幅広く使える。 兵児帯(へこおび:男性用) 幅約70cm、長さ4m前後のやわらかい帯。普段着にのみ使います。 着物には格付けがあります。
礼装 結婚式・成人式・葬式など一生の中の通過儀礼の場合 本振袖・留袖・黒紋付羽織袴(男性) 袋帯 略礼装 結婚式・披露宴・卒業式など、晴れやかな場所の場合 色留袖・振袖・訪問着・色無地・つけ下げ・(江戸小紋)
袋帯・(名古屋帯)外出着 他家への訪問、観劇、コンサートなど、格式ばらないけど、華やかさを求められる場合 小紋
名古屋帯・袋帯街着 親しい友達との集まり、お稽古ごとなど、気楽な場所の場合 紬(つむぎ)
名古屋帯家庭着 家庭でのくつろぎタイムや、作業着としての普段着 ウール・浴衣
半幅帯また季節ごとに衣更えをします。
10月から5月 袷(あわせ:裏地のついたもの)の着物 6月と9月 単(ひとえ:裏地のついてないもの)の着物 7月と8月 透ける材質の着物:「絽(ろ)」や、もっと薄い「紗(しゃ)」など *浴衣は本来、湯浴みや湯上がりに着たもの。パーティーなどの外出義としては用いないほうが無難です。
柄も季節(桜・梅、等)、慶事(鶴亀・松竹梅、等)など、その場にふさわしいものを選びます。
着物のカラーコーディネートでは、同系色以外にも、青と橙(だいだい)、紫と黄色など、現在のファッションではあまりお目にかからないような大胆な反対色の組み合わせが可能。そして、それが着物となると、とてもよく合うのです。
また、同じ着物でも、帯を替えて、小物を替えて、または帯結びや襟の抜き方を替えて、、、そんな少しの工夫で、世代をまたがって着られます。まさに、親子三代で楽しめる衣類、「着物」ですね。
お薦め着物サイト
京都和装産業振興財団
きものの歴史、種類、各部名称、着付け、和装に関する統計資料等、基礎的な知識がコンパクトにまとめられています。男のきもの大全
情報の少ない、男性の着物。個人のサイトですが、これはすごく内容が充実しています。結構、あっぱれって感じです!********************
落語
江戸時代に発達した落語。江戸初期に、浄土僧・茶人・笑話作家である安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)という人が大名などに滑稽な話を聞かせたのが始まりといいます。江戸(東京)と上方(大阪)を二大拠点とする落語は、主に、寄席と呼ばれる演芸場で演じられます。着物姿の噺家(はなしか)が、お囃子にあわせて登場、高座(こうざ)と呼ばれる舞台に座り、落語が一席始まります。主に、独演の対話形式で、語呂合わせや、洒落を用いながら滑稽な話を展開し、最後に「落ち」がつくのが特徴です。噺家は、身振り手振りでいろいろな状況を現したり、小道具を使って様々なもの(*)を表現します。
*扇子をつかって・・・刀、キセル、杯、箸、筆などを表現
*手拭をつかって・・・財布、紙、煙草入れなどを表現落語は歌舞伎と同様、男性が語るために、改良が重ねられた話芸。しかし、最近は、女性の落語家も出てきました。
お薦め落語サイト
落語検索エンジン「ご隠居」
「落語用語」は落語の辞書として、結構使える。そのほか、江戸っ子の言葉にしてくれる「文書変換」、笑点の大喜利に出てくるような「問答無用」など、落語の世界で遊べます。********************
茶道
茶の湯は一服のお茶を点て、それをいただくという大変シンプルな所作。この茶の湯によって、精神を修養し礼法を究める道を茶道といいます。
日本に茶が入ってきたのは奈良時代から平安時代。中国から伝えられ、当時は薬と考えられていました。
現在の茶道の形を完成させたのは、千利休(1522-1591)。彼が唱えたお茶の根本理念に、「和敬清寂(わけいせいじゃく)」という言葉があります。
「和」とは、お互いに心を開いて仲良くする(調和する)こと。
「敬」とは、互いに敬いあうこと。
「清」とは、目に見える部分と同時に、心の中も清らかであるということ。
「寂」とは、茶道の美意識を支える「わび・さび」。
茶の湯の美意識は、禅の思想に基づくものといわれています。わびに関して、利休の師であった武野紹鴎(たけのじょうおう)は「足りないことに満足し、おごらず、慎み深いこと」といいました。
このように、茶道とは一服のお茶を通して、だれもが持っている「和敬清寂」の心を呼び起こすことでもあるのです。
茶の湯には「濃茶」と「薄茶」があります。本来、濃茶が正式のもので、薄茶は濃茶の後に生まれた略式(普段着)のお茶です。
濃茶は、一つの茶碗に複数人分(大体5人分)のお茶を練り、その人数で回し飲みをします。濃茶の場合、抹茶は、茶杓で3杯分を一人前として考えます。薄茶の約2倍の抹茶を使用するため、泡立てず、練ります(飲んだ感じは、とろみがあります)。濃茶用のお菓子は主菓子(饅頭など生の和菓子)を用います。
薄茶は、一人ずつ別々の茶碗に点てます。抹茶は一人前が茶杓一杯半。これに湯を注ぎ、泡立てます。薄茶用のお菓子は干菓子ですが、主菓子を使うこともあります。
本来、茶事(お茶会)は、亭主(もてなす者)が客を招いて懐石を楽しんでいただき、その後で濃茶と薄茶を差し上げてもてなすことを言います。しかし、最近は、薄茶だけのお茶会も多くなっています。
亭主は客に心のこもったおもてなしが出来るよう、季節や目的に合わせた掛け軸や花、茶道具をそろえ、茶事を企画します。客は、亭主の心を一つ一つ味わいます。これによりもてなす者(亭主)ともてなされた客の心が通い合い、 和やかな時が育まれます。このことを「一座建立(いちざこんりゅう)」といい、茶道では、この精神をとても大切にします。このような気持ちが分かれば、 茶道は楽しいものです。
お薦め茶道サイト
裏千家ホームページ
裏千家の公式サイト。歴史や、茶道具、お茶の飲み方など、満遍なく書かれています。
茶の文化フォーラム
紅茶、日本茶、中国茶。。。世界各国のお茶をテーマにしたNiftyのフォーラム。嘉誉はこのフォーラム内の茶道関連の掲示板「是々庵」の皆様にいろいろ教えていただきました(感謝!)。お茶に関して、困ったことがあればきっと力になってくれるはず。
表紙
Copyright 2002, Kayo Hashimoto
All rights reserved.